歴史小説について語りたい〜その③

いやー、完全にタイトルとカテゴリに

名前負けしてますが懲りずに3連投でいきます。

 

で、一体オマエは何がお薦めなんだ、というトコなんですけど。

またムクムクと話脱線したい虫が出てくるのを ぐっと堪えて、

さすがに先に言っておこうか、と。

 

いやまぁ、正直どの作品も甲乙付けがたいんですけどね。

春秋戦国のネタでいうならば 「晏子」、「孟嘗君」、「香乱記」あたりですかね。

 

特に「晏子」。

 

誤解なきように言っておくと、

宮城谷センセの作品にいわゆる捨て作品というものは無いので

どの作品から入っても無問題です。

 

要は好みの問題なんですけど (趣味の読書の話なんでそりゃそうだわ、ですが)

なんで「晏子」なのよ、と聞かれれば

まぁ、春秋時代の、なんというかまだ後の乱世的な殺伐としきっていない、

礼節や仁義を建前ではなく、生き方の中心におけた牧歌的な空気感が

意外と好みでして。

 

で、戦場における、あるいは 生き馬の目を抜く外交戦略における英雄譚というより、

人としての生き方の正さで後世から評価されている「晏子」親子が

何となく宮城谷文学の象徴している気がするんですよね。

 

と、そういう意味では「孟嘗君」の田文、「香乱記」の田横は

どちらかというと乱世の英雄然として描かれている人物なんですけど、

やっぱり宮城谷センセの美学というか、

全作品に一貫している 「人としてどう生きるか、どう死ぬか」

というテーマには 忠実で生き様の美しい主人公なんですよね。

 

※まぁ、殊、孟嘗君の人物像については多様な見解がありますけど

 

と書いていて あー、でもそういう観点でいくと 「子産」や「楽毅」もいいなぁ。

 

いや、もうね、全部おもしろい、

というかホントに示唆に富んでて 声を大にしていいたいですからね、

 

もう。 高いビジネス啓発書やら、

もっといえば大した内容のない今風な経営者が書いてるような

脳内お花畑な御託を買って読むくらいなら

宮城谷センセの読んだほうがいいって。まじで。

 

とまぁ、ちょっと暑苦しくなってきたところで

毎度ながらちょっと書くの疲れてきたんで 今日はこの辺で。

 

それではまた。